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種類: Thesis or Dissertation
タイトル: 延命のために繰り返し行う化学療法を受ける進行非小細胞肺がん患者の見通しを持つ体験
タイトル別表記: Perspectives on Life and Lived Experiences of Patients with Advanced Non-Small Cell Lung Cancer During Long-Term Chemotherapy.
著者: 濱田, 珠美
著者名ヨミ: ハマダ, タマミ
キーワード: 進行非小細胞肺がん
化学療法
延命
見通しを持つ
体験
がん患者
perspective
lived experiences
advanced non-small cell lung cancer
long-term chemotherapy
発行年月日: 2004
抄録:  近年、我が国において、肺がんは男性、女性ともに死亡原因の1位、2位となる重要な健康問題となっている。しかし、その一方で医療技術の進歩や新たな抗がん剤の開発により、標準治療が確立していない個別の様相で治療を継続し、延命を図る患者が増加している。また、そのような患者は我が国の医療の在院日数短縮化とQOL(生活の質)重視の動きの中で、治療の場を外来へ移行してきた。そのため、延命のために繰り返し行う化学療法を受ける進行非小細胞肺がん患者は、死に直面している不確かな中で、延命を図るという特殊で困難な状況に置かれているともいえ、このような患者の延命を図る期間のQOL(生活の質)は重要な課題であると共に、その中で、固有の生の充実を支える看護ケアと時間や空間の限られた外来で提供できる、患者の持つ力に着目した効果的な看護ケアが課題であるといえる。しかし、今までの研究では、肺がん患者の症状や苦悩の側面に焦点が当てられ、こうした患者の持つ力として、主体的な活動である思い考えることに着目した研究はほとんどされてこなかった。 そこで本研究では、延命のために繰り返し行う化学療法を受ける進行非小細胞肺がん患者の見通しを持つことに焦点を当て体験を記述し、その意味を体験者の視点から明らかとすることを目的とした。 研究方法としては、この見通しを持つことは体験する患者の語りによってしか近づき明らかに出来ないと考え、体験するその人の見地にたち、人格のある人間の体験の意味を明らかにすることを目的とする質的記述的デザインである現象学的アプローチに基づき行った。 本研究の研究協力者は、延命のために繰り返し行う化学療法を受ける進行非小細胞肺がん患者5名で、データ収集は化学療法を繰り返す外来通院の時期に、非構成的な面接で行った。5名の研究協力者の語りから、それぞれの体験を記述・解釈し、個別性を重視して、共通性なところから見えてきた見通しを持つ体験の意味を考察した。その結果、【自分自身の価値や意味の探求を始める】、【他者との関係において、自分を自分自身で評価し認める】、【他者とつながりを持つ】、【生かす主体としての身体を回復する】、【新たな価値基準を持ち、他者と開放し合う】の5つの意味が見出された。  【自分自身の価値や意味の探求を始める】とは、生の限りや生の脆さとして現実の生の自覚を通して、自分自身の価値や意味の探求を始めること、また、自分の人生に充実感を持って生きるための努力を意味した。【他者との関係において、自分を自分自身で評価し認める】とは、今までの自分自身の態度や能力を評価の視点とし、現実の他者との関係において、他者を理解し、自分を自分自身で評価し、今までの価値を確かめ生き方を認めて、価値や生き方を自覚することを意味した。また、感情や関心に支配され囚われても、余裕を取り戻すことで同じように自覚出来ることを意味した。【他者とつながりを持つ】とは、孤立する内的な対象関係の欠如を通して、他者との共通の関係のつながりを持つことを意味した。【生かす主体としての身体を回復する】とは、身体という基盤が揺らぎ、対象としての身体を自覚し、現実の他者との関係性から身体としての自分自身を理解し、能力を確かめ生かす主体としての身体の回復を意味した。【新たな価値基準を持ち、他者と開放し合う】とは、他者からの負い目や責任の引き受けを通して、新たな価値基準で価値を認め合う他者との開放し合いを意味した。また、充実した生へつながる努力を意味した。以上より、研究協力者は病気に向かい合い、さまざまに揺らいだ生きる意味、価値を自覚し、身体への信頼を回復し、自分自身を取り戻して、自分の人生を充実して生きることにつながる努力を続けていると考えられた。 本研究の結果からは、看護について、患者の持つ力としての主体的活動を支援する観点から、看護者は患者の側に立ち、患者が身を置く世界の中で、人生を送るために思い考えていることに関心を向けることで、見通しを持つという充実した生へつなげる力に気づき、その意味が理解出来るのではないかと考えられた。また、患者への支援として、コミュニケーションを図り他者への気づきと触れ合いを促す、他者との関係での自己評価を助ける、身体への気づきを促すなどの示唆が得られた。  本研究の限界は、現象学的アプローチに基づいたが、研究者の事態への接近の要請のため、研究者の能力の影響、また、研究者の先入見や偏見の影響などが挙げられた。今後の課題としては、本研究の目的の達成には、延命の期間における長期的な研究を重ねる必要があると考えられた。その成果から、今後の高齢社会と先進医療の中で、延命のため多様化する治療の様相に置かれる進行非小細胞肺がん患者が自分の人生を生きようと努力する見通しを持つことを育む看護の発展と、その人のQOL(生活の質)の向上へ貢献することが課題である。
注記: 聖路加看護大学大学院看護学研究科修士課程
修士論文
2003
小松浩子
現象学的アプローチ
質的記述的研究
phenomenological approach
qualitative study
要旨あり
リンクURL: http://hdl.handle.net/10285/1088
出現コレクション:2-1-b:修士論文(要旨あり)

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