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種類: Thesis or Dissertation
タイトル: 糖尿病と心臓病を併せ持つ人の生活の調整
タイトル別表記: The descriptive research of the lived experience in the life adjustment for the persons with the concurrence of diabetes and heart disease.
著者: 池谷桂子
イケヤ ケイコ
キーワード: 生活の調整
生活
調整
糖尿病
心臓病
病いの体験
慢性病
発行年月日: 2003
抄録:  今日、わが国では、慢性疾患や生活習慣病が非常に増えてきている。特に糖尿病は増えてきており、1997年の厚生省の推計では690万人に及んでいる。糖尿病治療の進歩に伴って、糖尿病を持つ人の罹病期間が延長するなか、動脈硬化性疾患のひとつである虚血性心疾患(以下、心臓病とする)を合併する頻度は上昇する傾向を見せている。糖尿病に加えて心筋梗塞がある患者では、非糖尿病患者に比べて再発率、死亡率ともに高く、重症例が多いことも指摘されており、心臓病と糖尿病の発病、回復、慢性の経過は相互に影響を及ぼし合っている。このように、糖尿病と心臓病を併せ持つ人の経過は楽観できないものがある。慢性期における看護には、病者がより健やかにより自分らしさを維持しながら、病気を持ちながらの生活を調整していけるような支援が求められている。糖尿病と心臓病を併せ持つ人への支援は、心臓病、糖尿病双方の臨床にとって統合すべき課題であり、特に、慢性期のケアは重要な課題として残されている。本来、慢性病は重複疾患であることが多いが、慢性病者が病気を併せ持つことに関する研究もほとんど手つかずの状態である。そこで本研究では、糖尿病と心臓病を併せ持つ人が体験している、その人の生活のまとまりが全体としてうまく機能するように整えることとしての生活の調整という現象に焦点を当て、糖尿病と心臓病を併せ持つ人が、どのように生活の調整を体験しているか、また、その体験にはどのような意味があるのかを明らかにすることを目的とした。  研究方法としては、生活の調整という主観的で個別的な体験を明らかにするため、現象学的アプローチを参考に用いて、研究協力者の語りの中から生活の調整の体験をありのままに記述し、その体験の意味を解釈していくという、記述的帰納的方法を用いた。  その結果、5名の研究協力者の生活の調整の体験は個別性が高く、体験のそれぞれの意味はお互いに関係し合い、絡まり合うような様相を呈していたが、【病気を悪くしないための生活へシフトする(変えていく)こと】、【充実して生活できるための生きがいを持つこと】、【病気による不確かな生活状況と上手く付き合うこと】という共通性が見出された。【病気を悪くしないための生活へシフトする(変えていく)こと】とは、糖尿病や心臓病という慢性病と共に生活していくなかで、病気そのものを悪くしないという目標を持つことであり、『自分自身を律すること』、『身体の負担を免ずること』、『治療法を自分のものにすること』、『最善の医療を受けること』の意味が含まれていた。【充実して生活できるための生きがいを持つこと】は、生活が病気や療法のために逼迫したり、不安を抱えた生活にならざるをえない状況で、より豊かに気持ちよく生活するという手だてを持って生きていくことであり、『社会的に活動できる場所を持ち続けること』、『他者との関係を繋ぐこと』の意味が含まれていた。また、【病気による不確かな生活状況と上手く付き合うこと】とは、病気による不確かな生活状況に巻き込まれ、自分の生活を見失ってしまわないようにするための指針を得るという体験であり、『冷静に病状を把握すること』、『拠り所を持つこと』の意味が含まれていた。  以上のことから、糖尿病と心臓病を併せ持つ人の生活の調整は、糖尿病と心臓病を持って生活していくことを課せられた状況において、人がその状況を自分のものとして引き受けたり、生活状況が変化していく過程で新たな価値を見出して生活するなどの知恵をもつこと、また、より豊かに自分らしくまとまるために生きがいを持って生活すること、そして、状況を捉え直したり、病気の不確かさによるストレスに振り回されないように拠り所を持って生きることであることが考察された。また、以下に示す看護への示唆が得られた。第一に、生活そのものに目を向けることであった。そのことにより、日常的に絶え間なく生活の調整をしている人の体験とその支援に近づけると考えられた。第二に、生活の調整を行う力を支えることであった。そのためには、その人の持つ自律性を尊重し、成長する可能性を見守り、生活の調整の方向性を見出したり継続できるように支える役割があると考えられた。第三に、病気による不確かさと共に生活することを支援することであった。そのためには、まずその人が不確かな生活状況に身を置いていることを理解し、その人にあった有効な手段を持って生活できるように支援する関わりが求められると考えられた。  今後は対象人数を増やすことや女性にも拡げること、年齢の幅を拡げることによって、糖尿病と心臓病を併せ持つ人の生活の調整の意味を深めることが課題である。
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注記: 聖路加看護大学大学院看護学研究科修士課程
修士論文
2002
小松浩子
現象学的アプローチ
記述的研究
要旨、引用・参考文献あり
リンクURL: http://hdl.handle.net/10285/1163
出現コレクション:2-1-c:修士論文(要旨、引用・参考文献あり)

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