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種類: Thesis or Dissertation
タイトル: 根治手術を受けた頭頸部がん患者の睡眠問題とそれに伴う生活上の困難
タイトル別表記: Sleep Problems and Difficulties of Lives of Patients with Head and Neck Cancer who Received Radical Surgery.
著者: 柏木夕香
カシワギ ユウカ
キーワード: 頭頸部がん患者
睡眠問題
生活上の困難
発行年月日: 2006
抄録: 根治手術後の頭頸部がん患者は、長時間に及ぶ手術や長期の安静によって崩れた生活リズムを元に戻しながら、その一方で術後機能障害のリハビリテーションという重大な課題と対峙しつつ、術後の急性期・回復期を過ごさなくてはならない。したがって、頭頸部がん患者にとって、身体的・精神的な力を維持するために良好な睡眠は欠かせないと考える。睡眠問題をもつ術後の頭頸部がん患者に適切な看護を提供するためには、術後の患者に特有の睡眠問題や、その問題が生活にもたらす困難を患者の視点から明らかにすることが重要である。本研究の目的は、根治手術後、歩行を開始する時期にある頭頸部がん患者が抱える睡眠問題とそれに伴う生活上の困難を術前と比較することよって明らかにすることである。 対象はがん専門病院に根治手術を目的として入院していた頭頸部がん患者2名であった。データ収集方法は、面接法とアクティウォッチ?による活動量の測定であった。面接は、対象者が日々の睡眠に関して問題であると認識していることや、それに伴う生活上の困難についてのデータを収集した。データ収集期間は、術前の3日間と術後、歩行を開始してから7日間であり、この間アクティウォッチ?を連続して装着した。また、装着期間中、毎日面接を行った。分析方法は、面接によって得られたデータを事例ごとに術前、術後に分け、質的に分析した。また、アクティウォッチ?により測定した対象者の活動量データから、コンピュータ解析により睡眠-覚醒パターンのアクトグラムを作成した。さらに、総睡眠時間、総覚醒時間、入眠潜時、中途覚醒回数、再入眠にかかる時間、睡眠効率、昼寝の回数や長さなどの観点から、同一対象者の術前と術後を比較し、その変化を分析した。その後、面接法とアクトグラムから得られたデータをもとに、2事例の共通性に焦点をあてて分析した。 その結果、入眠潜時の延長や浅眠などの睡眠問題は疾患の発症や診断時からはじまっており、それらの問題は頭頸部がんに特有の症状や精神的負担からもたらされていた。次に、術後の睡眠問題として、主観的には入眠潜時の延長、中途覚醒の増加、再入眠にかかる時間の延長、浅眠、覚醒時の不快感、日中の眠気、客観的には睡眠時間の短縮、覚醒時間の延長、夜間の体動の増加、睡眠効率の低下などが見出された。これらの睡眠問題は術直後から出現し、術後データ収集期間をとおして術前の水準に戻っていなかったが、主観的には術後9日目頃から改善がみられた。対象者は、主観的な睡眠問題の変化には不快な症状の存在、睡眠環境、術後の生活への慣れ、術前の睡眠の状態などが影響していると認識していた。また、眠りの深さが全体としての睡眠の評価に最も影響しており、眠りの深さは睡眠効率を反映して変動していた。睡眠問題に伴う生活上の困難としては、頭痛や肩こり、思考力や意欲の低下、易疲労の3点が両者に共通していた。 以上の結果から、まず頭頸部がん患者は呼吸に関連する症状や精神的負担によって術前から睡眠問題を抱えている可能性が高く、術前の睡眠問題は術後の睡眠問題の認識に影響を及ぼすと考えられた。次に、根治手術後の頭頸部がん患者の睡眠問題は術後の行動制限、呼吸経路の変更、頸部の循環の低下、睡眠環境、眠れないことに対する患者自身の受け止めなどの影響を受けて変動していると考えられた。術後の行動制限は心身に拘束ストレスをもたらすことから、入眠潜時の延長や浅眠につながると考えられた。呼吸経路の変更は、気道分泌物の増加や温度・湿度・粉塵などの環境に対する感受性を高め、中途覚醒をもたらすと推察された。頸部郭清による循環の低下は頭痛や肩こりなどを引き起こし、中途覚醒や再入眠困難、覚醒時の不快感などにつながると考えられた。眠れないことや昼寝を悪いことと受け止めることは、入眠潜時の延長や日中の眠気に対する焦りなど、精神的ストレスを高めて入眠をさらに困難にし、疲労感を強める可能性があると思われた。 このように、中途覚醒や浅眠といった多くの睡眠問題は生体リズムの回復を妨げ、頭痛や肩こり、思考力や意欲の低下、易疲労という生活上の困難をもたらしており、術後の機能の変化に合わせた新しい生活行動の獲得に支障をきたしていた。したがって、看護においては頭頸部がん患者の睡眠問題に対する関心を高めるとともに、睡眠問題に影響する要因、とくに患者が退院後も付き合っていかなくてはならない排痰の問題や頸部の症状の緩和に患者自身が取り組めるよう援助していくことが重要であることが示唆された。
注記: 聖路加看護大学大学院看護学研究科課題研究
課題研究
2005
小松浩子
アクチグラフ
ケーススタディ
インタビュー
アクチグラフ
アクチ
成人看護学(がん看護)CNSコース課題研究
要旨あり
リンクURL: http://hdl.handle.net/10285/1219
出現コレクション:2-2-b:課題研究(要旨あり)

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