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種類: Thesis or Dissertation
タイトル: 中堅看護師が転職前に行う予測と転職後に遭遇する現実との相違の構造化
タイトル別表記: The Structure of the Differences Between Expectations and Experiences of Experienced Nurses Entering a New Work Environment.
著者: 伊東, 美奈子
指導教員: 井部, 俊子
キーワード: 中堅看護師
転職
予測
期待
看護管理
リアリティショック
調査法・尺度: 質的研究
グラウンデッド・セオリー
grounded theory
半構造化面接
ネットワークサンプリング
発行年月日: Mar-2009
出版者: 聖路加看護大学
抄録: ≪研究背景と目的≫看護職は、転職や離職後の再就職等、組織を替えながら職業を継続するケースが多い。転職や離職などの就業変化の第一のピークが訪れるのは、中堅の時期にあたる年代だが、中堅看護師の「離職」に関する研究が進んでいるのに比し、「転職」に関する研究はほとんどなされていない。そこで、臨床経験5年以上の中堅看護師が転職前に行う転職への予測と、転職先の病院で遭遇した現実との相違について記述し、構造化を行うことを目的に質的記述的研究を行った。 ≪研究方法≫転職回数が1回で、転職前後ともスタッフナースである看護師を、研究者の知人を介したネットワークサンプリングにて募り、研究協力に同意した7名に対し半構造化面接を行った。研究協力者は全員30歳代の女性で、転職は20歳代後半~30歳代前半に行われていた。得られたデータは、グラウンデッド・セオリーの手法に基づき継続比較分析を行った。 ≪結果≫8つの【カテゴリー】と、41の〔サブカテゴリー〕が抽出され、「中堅看護師が転職前に行う予測と転職後に遭遇する現実との相違の構造」が明らかになった。中堅看護師(以下、看護師とする)が転職前に行う予測には、【転職への期待や肯定的なイメージ】と【転職後に起こりうることに対する予期的な懸念】があった。【転職への期待や肯定的なイメージ】は、【転職の理由】【転職先の選定】をもとに形成され、【期待の抑制】の影響を受けていた。また看護師は、【転職後に起こりうることに対する予期的な懸念】をすることで精神面での準備性を高めたり、転職後のふるまい方を決めたりしていた。この【転職後に起こりうることに対する予期的な懸念】も、【転職の理由】を基に形成されていた。看護師が転職先の病院で遭遇する現実には、【予想や期待と相違する現実】の他に【予想を超えた現実】があった。【予想や期待と相違する現実】は、〔期待よりよかった〕〔期待通り〕〔期待外れ〕〔懸念したほどではない〕〔懸念通り〕〔懸念した以上のつらい現実〕に分類された。【予想を超えた現実】は、想像が及ぶ範囲の外にある現実であり、【予想や期待と相違する現実】と違って事前の予測ができていないだけに「苦痛」「葛藤」「戸惑い」「ショック」をもたらす、看護師にとっては「ありえない」現実であった。看護師は、【予想や期待と相違する現実】【予想を超えた現実】のうち、「ショック」「がっかり」など自身に否定的な感情をもたらすような現実に対し、【現実を受け入れるための調整】を行っていた。【現実を受け入れるための調整】をすることによって「嫌だから辞める」という気持ちが抑制され、転職先で働き続けていこうという意欲につながっていた。 ≪考察≫【転職への期待や肯定的なイメージ】に対し、転職先の現実が〔期待外れ〕であることで、看護師は現実ショック(reality shock)を受けていた。現実ショックとは、組織社会化論において、入職前の期待やイメージと入職後の現実との相違のことを指すが、現実ショックが起こる原因として、【転職への期待や肯定的なイメージ】がイメージや推測に基づいていて、現実に沿っていないことや、転職前に病院から提供された情報の真性に問題があることが考えられた。看護師のモチベーションを低下させる要因となる現実ショックを最小限に防ぐために、看護師は転職前に、転職先の病院や職務に関する情報を十分に獲得しておくこと、病院は現実に即した適切な情報を提供していくことが課題として挙げられた。【転職後に起こりうることに対する予期的な懸念】に対し、〔懸念通り〕〔懸念した以上のつらい現実〕として認知されたのは、<1年目扱いされる><自分のやり方が通用しない><既卒に対する冷たい扱い>であった。看護師は転職前の病院で臨床経験を積んでいても、転職先の「やり方」や初めての領域の看護に戸惑いを感じ、業務遂行能力の低下を自覚していた。しかし転職先の人々にそれが理解されず、臨床経験に見合った働きを求められることを看護師は負担に感じていた。看護管理者は、転職に関連する看護師の不安を軽減させ、転職先で早期に能力を発揮することができるよう、転職看護師をサポートする体制を整備することが重要である。
公表先: 伊東美奈子.中堅看護師が転職前に行う予測と転職後に遭遇する現実との相違の構造.日本看護管理学会誌.15(2):135-146(2011)
注記: 聖路加看護大学大学院看護学研究科修士論文
リンクURL: http://hdl.handle.net/10285/2799
出現コレクション:2-1-b:修士論文(要旨あり)

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