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種類: Thesis or Dissertation
タイトル: 化学療法を受ける再発白血病患者の有害事象へ対する対処行動の構造化
タイトル別表記: The structure of coping with chemotherapy-related adverse events in patients with relapsed Leukemia.
著者: 井ノ下, 心
指導教員: 小松, 浩子
キーワード: 化学療法
再発
白血病
有害事象
副作用
対処行動
coping
がん看護
調査法・尺度: 質的研究
半構成的面接
発行年月日: Mar-2009
出版者: 聖路加看護大学
抄録: ≪背景≫ 約半数以上が再発を繰り返す白血病患者は、いのちの綱である化学療法を効果が得られるまで続けていく。このような状況にある患者をより効果的に援助するには、医療者と患者、双方向からの有害事象マネジメントが重要となる。そこで本研究では、有害事象への対処行動について患者の体験を質的に分析し、明らかにする。 ≪目的≫ 1)化学療法を受ける再発白血病患者の有害事象へ対する対処行動を記述し、その構造を明らかにする。2)明らかとなった対処行動を、効果的に支援する看護援助を検討する。 ≪方法≫ 本研究は化学療法を受ける再発白血病患者の有害事象へ対する対処行動について、その構造を探究する質的因子探索型研究である。対象は、入院中の化学療法を受けている再発白血病患者7名(造血幹細胞移植中・直後、終末期の患者は除く)。データ収集は半構造化面接(2~3回/1人)と診療録等からの情報収集とした。分析はグラウンデッド・セオリーを用いた継続比較分析を行い、質的研究の専門家、がん看護学領域の大学教員からスーパーバイズを受けて信頼性の確保に努めた。また本研究計画は、聖路加看護大学および研究フィールドの倫理審査委員会の承諾を受けている。 ≪分析結果≫ 分析の結果、再発白血病患者の有害事象への対処行動は、コアカテゴリー『無駄なエネルギーを消耗しない効率的な対処行動を身につけていく』を中核に、4つの主要カテゴリー、①[経験と情報から必要な対処行動を見極める]、②[症状をコントロールしながら上手く付き合っていく]、③[緩急をつけて必要だと思う予防行動を継続する]、④[日々を乗り越える糧を持ち治療を受け入れていく]が相互に関連し展開するプロセスとして構造化された。また、各主要カテゴリーは以下のように10のカテゴリーから構成されていた。 ①:2つのカテゴリー【経験を基盤に必要な対処行動を見極める】、【優先度が高い情報から対処行動の見極めに活用する】から構成され、患者が経験を基盤に優先度が高い情報を取り入れながら症状を認識し、自分に必要な対処行動を見極めることを意味する。 ②:3つのカテゴリー【効果が期待できる症状緩和に努める】、【逃れられない苦痛を心的に回避する】、【継続する症状と付き合っていくすべを身につける】から構成され、患者が直面する症状を緩和可能と認識すると積極的に対処し、緩和困難と認識した症状へは心的に苦痛を回避しながらも、症状と付き合うすべを身につけていくことを意味する。 ③:3つのカテゴリー【自分に必要な予防行動の継続に努める】、【理想に反して予防行動継続が困難な状況も受け入れる】、【必要性を認識した予防行動を強化する】から構成され、患者は起こりうる症状への予防行動が、理想に反して継続困難となる状況を容認しつつ、必要性を認識した予防行動は強化し、緩急をつけながら継続することを意味する。 ④:2つのカテゴリー【生きる希望を絶やさず必要な治療を受け入れていく】、【日々を乗り越えていく糧を持つ】から構成され、患者が治療を乗り越えていく原動力となる糧を持ち、生きる希望を絶やさず、いのちの綱である治療を受け入れていくことを意味する。 ≪結論≫ 化学療法を受ける再発白血病患者の有害事象への対処行動は以下のように構造化された。患者は、直面する有害事象および起こりうる有害事象へ対して[経験と情報から必要な対処行動を見極める]ことを契機に、『無駄なエネルギーを消耗しない効率的な対処行動』を継続していく。直面する有害事象に対して、緩和困難と認識した症状へは無理に取り組まず、継続する症状として[症状をコントロールしながら上手く付き合っていく]というすべを身につけていく。また、起こりうる有害事象への対処行動は、直面する症状と並行して継続する必要があるため、無駄なエネルギーを消耗しないよう[緩急をつけて必要だと思う予防行動を継続]していく。そして、患者は全カテゴリーの基盤となる『無駄なエネルギーを消耗しない効率的な対処行動』を目指して洗練し、『身につけていく』ために、各過程で常に評価とフィードバックを繰り返している。これらの背景には、再発白血病患者がいのちの綱としてやめることの出来ない化学療法を、効果が不確かで終わりの見えない状況で継続するという現状があり、その中でも前向きな気持ちを保ち化学療法に取り組む原動力として、[日々を乗り越える糧を持ち治療を受け入れていく]必要があったと言える。そして、このように化学療法を続ける再発白血病患者の対処行動を支えるためにも、我々医療者は、彼らのおかれている状況や思いと向き合い、彼らの対処行動を理解していく必要がある。
注記: 聖路加看護大学大学院看護学研究科修士論文
リンクURL: http://hdl.handle.net/10285/2819
出現コレクション:2-1-b:修士論文(要旨あり)

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